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境界面

 学生時代に通っていた水泳教室では平泳ぎが得意種目だった。息継ぎの度に水面を掻き分け潜り抜ける。1mmにも満たない境界面で光は踊り乱舞し、何の変哲もない光景を見たことのない世界へと豹変させる。

 降り注ぐ強烈な陽射しと紺碧の青空は、融合と離別を繰り返し、白砂の彼方へと消えてゆく。此処は桃源郷か
イリュージョンか。。。果てしなく透き通る波間に体を委ね、何度となくシャッターを切った。

 3年潜り続け滲み出てきたものは、マンタや色鮮やかな熱帯魚ではなく、絶え間なくその姿を変える波間そのものだった。

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